時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

慰安婦合意と満州国の問題

 慰安婦問題には、満州国の問題も絡んでいることは、昨年末のブログ記事にて指摘いたしました(http://blogs.yahoo.co.jp/gakumonnoiratume/70924393.html)。本日は、この点に関しまして、幾つかの問題点を挙げておきたいと思います。

 第1に、現在の日本国民の殆どは、満州国に関する知識や情報を持ち合わせておりません。仮に、満州国において、”慰安婦徴用”なる制度が存在したとしますと、この件に関する資料は、満州国を占領したソ連邦、あるいは、中国の国民党か共産党保有しているものと推測されます。

 この問題に関連して、第二に、現在の日本国が、満州国の責任を負うべきなのか、という問題が生じます。満州国は、清朝の末裔である溥儀を皇帝として、独立国家として建国されました。清朝の制度、あるいは、李朝の制度を模した後宮制度や妓生制度が導入されていた可能性も否定はできません。慰安婦問題に満州問題が含まれているとしても、少なくとも韓国は直接には関係はなく、現代の韓国政府に元慰安婦の救済費として10億円を支払うことは、全く以って筋違いとなります。

 第3に、馬賊が跋扈してきた満州国では、日本軍と協力関係にあった「朝鮮ヤクザ」も暗躍しており、日本の軍服を着用した上で、村落の女性達を襲撃していたそうです。慰安婦被害の総数に、こうした女性達も含まれているとしますと、戦前の朝鮮人による犯罪の責任も、現在の日本国政府、並びに、日本国民が負うべきなのか、という問題も発生します。しかも、戦後においては、日本国内において、”朝鮮進駐軍”と称されていた「朝鮮ヤクザ」による同様の被害が発生しております(引揚者に混じって、朝鮮半島から日本国内に侵入した疑いがある…)。この問題では、むしろ、北朝鮮、もしくは、韓国に加害責任があるとも考えられます。

 実のところ、中国や朝鮮半島の方が伝統的に女性を蔑視、あるいは、虐待してきた歴史があり、ベトナム戦争時のライダイハン問題に留まらず、今日においてさえ、東南アジアの女性に対する韓国人男性による虐待が国際問題化しております。慰安婦問題については、満州国の統治の実態解明をも要しますが、この作業は、今日なおも残されている中国や朝鮮半島の深刻な女性問題をも明らかにすることになるのではないでしょうか。

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