時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

鍵を握る台湾との慰安婦交渉

 今年は、ことの外暖かなお正月となりました。旧年中は、格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。本年も、相変わらず、よろしくお願い申し上げます。例年は、三が日の間は本ブログもお休みをいただきておりましたが、今年は、年末に発生した重要な外交問題もあり、本日からブログ初日といたしたく存じます。

 大晦日の記事において、慰安婦問題は、凡そ5つの類型が混在していることを指摘いたしましたhttp://blogs.yahoo.co.jp/gakumonnoiratume/70924393.html。その一方で、国際社会におきましては、第一類型として分類した雇用契約に基づく合法的な職業としての慰安婦さえ、”性奴隷”とする認識が広まっているようです。これでは、日本国のイメージ悪化は必至なのですが、英文版の酷さで指摘したように、何故にか、日本国政府はこのイメージを強めこそすれ、積極的に否定しようとはしていないのです。このままでは、日本国は”一人負け”となる恐れがあるのですが、この行方を占うのが、台湾の馬政権による慰安婦対日交渉の行方です。何故ならば、台湾も、戦後に日本国から切り離された日本領として立場は共通しておりますが、台湾での被害の訴えは、政府による強制動員ではないからです。つまり、台湾での事実確認は、朝鮮においても政府による強制動員がなかったことを示すことになるのです。

 仮に、政府が、戦時中に慰安婦という職業に就いていたとする事実だけで被害を認定するとしますと、日本人慰安婦に対しても同様の救済を要する問題となります。この交渉を機に、日本国政府は、国際社会に向けて丁寧に慰安婦達が”性奴隷”ではなかったことを説明すべきではないかと思うのです。

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