時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中国をチベットとの対話のテーブルにつかせよう

先日、中国政府は、聖火リレーが自国への非難の場と化したことに懲りてか、チベット亡命政府に対して対話の申し出を行いました。しかしながら、この対話申込みの意図は、自国への非難を緩めるためのジェスチャーであるという指摘もありますし、実際に、その…

聖火リレーで長野県警が失ったもの

先日長野で行われた聖火リレーについては、マスコミ報道とは異なって、チベット応援側と中国側動員集団との間に、暴力沙汰の相当の衝突があったようです(動画に映っていました…)。その際、長野県警は、中国側がチベット応援側に加えられた暴力には見て見ぬ…

中国の”本当のお友達”は北朝鮮

本日の新聞によりますと、北朝鮮の平壌で行われた聖火リレーは、これまでの諸国とは大きく違い、歓迎一色であったそうです。このことから分かることは、中国の”本当のお友達”は、北朝鮮であったということです。 確かに、中国が言う”本当のお友達”の意味を正…

法隆寺さんと唐招提寺さんの辞退を願う

昨日行われた長野の聖火リレーにあって、善光寺さんが、中国政府から宗教弾圧を受けているチベットのことを慮って、出発地点となることを辞退されました。ところが、来月予定されている胡主席の訪日に際して、奈良の法隆寺さんと唐招提寺さんにおいて、福田…

長野聖火リレーに見るアンチ弾圧国家vs.法治国家

長野の聖火リレー対しては、チベット弾圧を行った中国政府に対する抗議の絶好の機会であったにも拘わらず、中国の動員作戦によって十分に活かせなかったことを残念とする意見と、長野警察の警備によって無事に終えるたことを評価する意見とに分かれているよ…

中国のナショナリズムは自己矛盾

本日の新聞に、中国系米国人大学生の意見として、聖火リレーで高まっている中国のナショナリズムにも、中国人の権利や義務に対する市民意識を育てる効用がある、とする内容の寄稿が掲載されていました(産経新聞本日付朝刊)。しかしながら、共産党政権と区…

スポンサーは聖火リレー走者に辞退の自由を認めては

長野の聖火リレーの走者が昨日発表されましたが、残念ながら、リレー走者の中には、辞退を申し出る勇気ある方は未だ現れないようです。その理由としては、スポンサー企業との契約があって、個人的に断ることができないという点が指摘されています。 中国への…

誰かが化け物退治をしなくては

昔話や神話の世界には、時々、悪しき化け物が怪獣が登場するものです。大抵、それらの化け物や怪獣は、罪なき村人に対して生贄や犠牲を要求し、勇気と力を持った誰かがこれを退治しなくては、村人たちは、永遠に救われません。物語的には、ここで英雄が登場…

北朝鮮はボーナスどころが罰金では

昨日、日朝国交正常化が実現した場合には、北朝鮮にボーナスを与えると二度押しした福田首相の発言が大きく報道されていました。この発言が首相の本心であるとすると、どこか、善悪の判断に狂いがあるように思えてならないのです。 ボーナスとは、特別賞与を…

事なかれ主義が覆う日本国

チベットでの弾圧事件が発生して以来、マスコミ各社は、なかな北京オリンピックに関する世論調査を実施せず、実際には、かなり高い割合の国民が、北京オリンピック、および、その開会式のボイコットを支持しているものと信じてきました。しかしながら、今日…

聖火よりも善光寺さんの警備強化を

聖火リレーの出発地点を勇気をもって辞退された善光寺さんには、日本国内から多くの賛辞と敬意が寄せられました。こうした称賛の声とともに、”善光寺さんが危ない!”という意見が聞かれたことも確かです。もしかすると、報復を受けるかもしれない、という・…

チベットには独立国家の資格がある

民族自決の権利は、そもそもが既存の国家の枠組みへの不承認を含んでおり、コソボの独立宣言の時にも、民族独立紛争が各地に拡散することが懸念されました。チベット問題にあっても、敢えて不安定化を強調することによって、チベットの独立や自治に対して異…

媚中路線と内閣支持率の反比例

福田内閣の支持率は下がり続けており、世論調査によっては25%を切る結果さえ報道されています。支持率の低下の原因については、道路財源の一般化問題、長寿医療制度の導入、日銀人事の混迷といった国内問題が取り沙汰されていますが、最大の要因は、福田…

非暴力主義と統治責任のジレンマ

誰もが、暴力を憎み、できることならばこんな野蛮な手段は使いたくないと思うものです。ダライ・ラマ14世をはじめとして仏教徒の方々は、非暴力主義を以って平和を説き、他者の命を奪うことを強く戒めます。日本国の憲法第9条を守ろうとする方々の倫理観…

中国の、中国による、中国のための北京オリンピック

北京オリンピックの開会式への出席や聖火リレーでの抗議運動が取り沙汰されるに際し、しばしば、オリンピックと政治とは切り離しすべし、という主張が聞かれます。しかしながら、中国が、政治的にはいまだに共産主義を信奉していることを考えますと、これは…

米国務次官会談でチベットは主権回復へ動くのか

伝えるところによりますと、チベット亡命政府のダライ・ラマ14世は、今月21日に、アメリカ国務省次官のドブリャンスキー氏と会談を持つ予定といいます。中国の反発を押して、この会談が実現すれば、チベットは、主権回復に向けて動き出したことになるの…

善光寺さんはやめる勇気を

今月26日に、北京オリンピックの聖火リレーが長野県で行われるに際し、善光寺さんがその出発地点に予定されていると言います。中国政府のチベット弾圧が、チベット仏教の存在そのものを否定し、抹殺しようとする行為でもあることを考えますと、同じ仏教の…

仏製品不買運動vs.中国製品不買運動

中国では、パリで聖火リレーが妨害されたとして、インターネットでのフランス製品ボイコット運動が起きていると言います。おそらく、これもまた、中国政府による経済的なダメージをちらつかせた”恐喝”あるいは”脅迫”作戦の一つなのでしょう。こうした場合、…

現代では嘘は百回繰り返しても実にならない

中国政府は、どんな嘘でも百回繰り返えせば、実、つまり事実になると、今でも信じているようです。権謀術数が渦巻く歴代王朝の歴史を振り返れば、中国人が、政治手段として”嘘”の上塗りを常套手段としたことは理解に難くありません。しかしながら、現代にあ…

人権擁護だけでは救えないチベット

中国政府によるチベット弾圧に対する抗議運動は、人権擁護団体が主たる活動主体ということもあって、人権問題としてのみ扱われる傾向にあります。しかしながら、人権擁護だけでは、チベットは救われないのではないか、と思うのです。 人権擁護活動とは、すべ…

日本国政府は”チベット自治区”を認めてはならない

中国によるチベット併合の経緯を見てみますと、それが、軍事力と脅迫による非合法的な中国による”侵略”行為であることは疑いのないことです。それにも拘わらず、我が国の政府が、チベット問題を内政問題としたり、チベットを”チベット自治区”と表現すること…

長野県が守るべきものは何か

北京オリンピックの聖火リレーは、現在、中国政府によるチベット弾圧への抗議行動の象徴と化しているようです。わが国でも、長野県がリレーのルートに予定されているようですが、伝え聞くところによりますと、長野県では、抗議行動の重要性が認識されおらず…

チベット弾圧に見る共産主義の無慈悲

マルクスは、資本主義に対して、社会の自然な絆を切り裂き、人間阻害を生むものとして激しく非難しました。しかしながら、自らの理論もまた、人間を物質的な存在に還元してしまったことにおいて、無慈悲な人間を大量に作り出ししまったのではないか、と思う…

チベット問題に国際法学者は発言を

チベット問題については、新聞やテレビなどでは、”チベット自治区”とか、”チベット暴動”といった表現が使われ、中国側のチベット領有を、あたかも当然のことのように見なしているようです。しかしながら、国際法から判断しますと、中国によるチベット領有は…

NHKと宗教団体の癒着問題

NHKとは、国民の受信料によって支えられている公益法人なのですが、最近、頓に、創価学会の宣伝塔と指摘されているタレントの起用が目につくようになりました。この現象は、NHKのみならず、政府広告にも見られます。果たして、公益法人や政府機関が、特定の…

チベット弾圧問題で明らかになった平和理論の破綻

チベット問題について、日頃から人権擁護を唱えてきた市民団体が沈黙していることは不思議なことなのですが、中国の工作活動への協力者であったという可能性に加えて、実は、その依拠する平和理論そのものが、破綻したからではないか、と思うのです。 何故な…

”いじめ”の本質は恐怖政治

学校が行う”いじめ”対策として、最も一般的な方法は、いじめの加害者側と被害者側を個別に呼んで、カウンセリングを行うというものなのかもしれません。しかしながら、いじめの本質が、教室を暴力や恐怖で支配することにあるとするならば、この方法では効果…

”いじめ”が組織的破壊活動である疑い

数年来、”いじめ”は、現代に特有の一種の社会現象として扱われ、対処法や対策も、心理学や精神医学などが総動員され、専門家の間でも真剣に検討されてきました。しかしながら、その勢いは猖獗をきわめ、衰える兆しは見えてきません。どうして、”いじめ”は、…

天皇の統合力の根源とは

日本国憲法では、第一条において、天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であると定めています。憲法が述べるように、天皇に国民を統合する作用があるとすると、それは、何に由来しているのでしょうか。 もし、憲法において、天皇位には、日本国民…

エプリール・フールがチャイナ・デーに改名?

4月1日は、エプリール・フールといって、うそをついても許される特別な日です。そこで、各地では、この慣習に因んだイベントが数多く開催されました。中でも、注目のイベントは、”エプリール・フールの名前を変えよう!”という催物です。一か月前から名前…