時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮はボーナスどころが罰金では

 昨日、日朝国交正常化が実現した場合には、北朝鮮にボーナスを与えると二度押しした福田首相の発言が大きく報道されていました。この発言が首相の本心であるとすると、どこか、善悪の判断に狂いがあるように思えてならないのです。

 ボーナスとは、特別賞与を意味しますので、会社では、収益の増加や業績の向上への社員の貢献度を基準にして支払われるものです。つまり、ボーナスとは、プラス評価に基づくものなのです。それでは、北朝鮮には、このプラス評価に値する行為はあるのでしょうか。国交正常化の前提には、拉致事件の解決や核の放棄などがあります。拉致の行為自体は、刑事罰の対象になりますし、原状回復したとしても民事上の損害賠償を請求される行為です。また、核の開発という行為も、NPT条約違反であると共に、アメリカとの二国間では、94年の枠組み合意に対する違約行為でもあります。ですから、たとえ北朝鮮が核の放棄に踏み出したとしても、決して褒めるべき行為ではないのです。

 マイナス評価の行為をやめること、即ち、プラスの評価ではありません。それにも拘わらず、”ボーナス”という言葉を口にしたことは、首相の北朝鮮に対する甘い認識が、図らずも表に出てしまったように思うのです。通常の感覚では、北朝鮮には、ボーナスどころが、多額の罰金がふさわしいのではないでしょうか。

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