時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

事なかれ主義が覆う日本国

 チベットでの弾圧事件が発生して以来、マスコミ各社は、なかな北京オリンピックに関する世論調査を実施せず、実際には、かなり高い割合の国民が、北京オリンピック、および、その開会式のボイコットを支持しているものと信じてきました。しかしながら、今日、新聞紙上で公表された結果を読みますと、48%の人が、競技にも開会式にも参加すべき、と回答していたのです。
 
 もし、この数字が現在の日本人の真実の姿であるとしますと、まことに、情けがないと思うのです。チベットは、明日のわが身かもしれず、また、今現在、チベットの人々は、中国政府の”民族浄化政策”によって深刻な生命の危機にさらされています。それにも拘わらず、国民の多くが、他人事のようにチベット問題に無関心でいることに、絶望さえ感じてしまうのです。

 国民の多くは、中国の態度を容認し、抗議を表明しなければ、自分たちには火の粉は降りかからないと考えているのかもしれません。しかしながら、侵略国は、侵略するに先立って、巧妙な融和政策や国内分裂政策を行うものです。チベットの運命は、自国の運命にも関わることに気が付かなければならないと思うのです。少なくとも、もし、事なかれ主義がはびこれば、日本国とて、チベットと同じように軍事占領を受けた場合には、もはや、誰も助けてはくれないことだけは確かなのですから。

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