時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国際情勢

シリアの化学兵器使用-オウム真理教に甘かった日本国

シリアにおいて化学兵器が使用されたことがほぼ確実となったことから、アメリカを筆頭に、軍事介入が取り沙汰されています。証拠不十分と言うこともあり、イギリスが介入を断念するなど、今後の展開が注目されるところですが、使用された化学兵器は、サリン…

NPT体制を悪用する北朝鮮

北朝鮮は、アメリカの食糧支援の停止に反発して、IAEAの監視要員の受け入れを拒否するそうです。それにしましても、北朝鮮は、核拡散防止のための国際協力体制を悪用しているとしか、言いようがないと思うのです。 北朝鮮が、たとえ核兵器の開発に成功したと…

北朝鮮は何度でも失敗する

海外メディアまで呼び寄せ、”衛星ロケット”の発射に自信を以って望んだ北朝鮮。蓋を開けてみますと、わずか上空120キロメートルのところで爆発分解し、黄海の海の藻屑と消えたそうです。 ロケットをICMB化するには、上空1000キロメートル以上に達しなければ…

独裁者とテロリストの自業自得

昨日、カダフィ氏の息子と孫が爆撃により殺害され、本日は、数々のテロ事件の首謀者であり、かつ、アルカイダの最高幹部であったオサマ・ビンラディンが、米軍特殊部隊の銃撃により、パキスタンで死亡したというニュースが伝えられております。如何なる人物…

竹島―韓国は自国領でないことを認識していた

我が国の領土である竹島に対して、韓国は、教科書掲載を理由として、実効支配を強める気配を見せています。竹島について、韓国側は、”歴史的にも、法的にも、韓国領であることは疑いない”、として、日本側の要求をはねつけてきました。 しかしながら、竹島が…

統治能力なき民主党政権を支えたのは韓国では

昨日、韓国の李大統領が、自らの統治能力を問われた際に、”統治能力がないのは日本である”と返答したことが、我が国でも、マスコミ等を通じて報じられました。しかしながら、統治能力なき民主党政権を支えたのは、当の韓国ではなかったかと思うのです。 政権…

政府は韓国の動きに注意を

本日の新聞によりますと、韓国は、我が国が大災害による混乱にあることに乗じてか、竹島に近接した科学調査施設を建設する方針を示すとともに、昨日の福島第一原発での低濃度汚染水の放出についても、国際法違反ではないかと、クレームをつけてきたそうです。…

前原外相外国人献金問題での留意点

外国人から政治資金を受け取ったとして、前原外相の辞任が取り沙汰されています。これを機に、全ての政治家と外国団体との関係を洗い出す必要がありますが、前原外相については、一つだけ、留意点があります。 それは、かつて、中国が、名指しで前原外相の更…

リビア情勢に見る韓国への疑問

リビアにおいて反政府運動が起きた当初、韓国の現地企業が攻撃を受けたというニュースが報じられていました。その後の報道によりますと、1000人を越える韓国人がリビアに滞在していたそうです。この情報、事実であれば、韓国という国の、独裁国に対するスタ…

民主化運動の報道が少ない

中東諸国で始まった一連の民主化運動は、人類が、歴史的な転換期を迎えつつあることを示しています。中国でも、本日、複数の都市でのデモの呼びかけがなされているはずなのですが、何故か、我が国では民主化運動の情報が少ないのです。 近年、マスコミでは、…

中東の民主化懐疑論への懐疑

中東諸国の民主化運動に対して、我が国の政権交代を事例に挙げて、国民の一時的な熱狂は、より悪い状況に至るものとして、懐疑的に見る向きもあるようです。しかしながら、両者の間には、決定的な違いがあると思うのです。 それは、我が国の場合には、政権交…

中国国民も民主化運動を

中東一帯に広がった民主化運動は、中国には波及しないという説があります。その根拠として、中国の急速な経済成長が挙げられているのですが、むしろ、一党独裁体制を崩壊させて民主化しなければ、中国国民には、経済成長の恩恵が及ばないのではないでしょう…

中国の重要情報の発表―北朝鮮は中国の管理下に?

本日午後5時半より、中国政府が、北朝鮮問題について重要情報の発表を行うそうです。そもそも、当事国ではなく、他の国の政府が重要な情報を発表すること自体が、異常なことです。 中国が、北朝鮮のスポークスマンの役割を果たしているとしますと、北朝鮮は…

北朝鮮の核施設のピンポイント爆撃を

明日、米韓の軍事演習が予定通りに行われるそうですが、北朝鮮の出方によりましては、両国が交戦状態に陥る可能性も否定はできません。北朝鮮が、かくも強気で暴挙を繰り返す理由が、核開発にあるとしますと、まずは、北朝鮮の核施設をピンポイント爆撃して…

国際社会は対中政策上の重大岐路に立っている

尖閣諸島沖での事件やノーベル平和賞をきっかけとして、国際社会は、現在、対中政策について、重大な岐路に立っています。それは、”新冷戦”の下で中国との関係を断ち、完全に封じ込めるか、あるいは、中国の変化を前提に、これまでどおりの協調路線を歩むの…

憶測が憶測を呼ぶ金元死刑囚の訪日

民主党政権は、発足当初から、過去の秘密外交を手厳しく非難し、オープンな外交を基本方針として掲げました。しかしながら、昨日の金元死刑囚の来日と鳩山邸滞在は、憶測が憶測を呼ぶ展開になっているようです。 韓国の哨戒艦撃墜事件が発再生して以来、南北…

中国人の長野聖火リレー動員とパリ1万人デモ

昨日、チベットのダライ・ラマ14世が、チベット弾圧に抗議して、北京オリンピックの聖火リレーの出発点となることを断った善光寺を訪問されたそうです。長野市が、全国から動員された中国人の振る国旗で赤く染まった光景は記憶に新しいところですが、パリ…

中国の貿易赤字の信憑性

本日の新聞に、中国が貿易赤字となったとする記事が掲載されていました。この貿易統計は、信じられるのでしょうか。 つい最近まで、中国政府は、自国は、いち早くリーマン・ショック以来の金融危機から抜け出し、貿易も危機前の水準に回復していることを自慢…

竹島問題は司法解決が最適な理由

韓国政府の竹島に対する実効支配の強化に対して、民主党政権の弱腰の姿勢が非難を受けているようです。この問題、我が国の法的な根拠が争点であるならば、司法解決しか道がないのではないかと思うのです。 たとえ韓国政府が、実効支配を強化したとしても、こ…

韓国政府は”北朝鮮難民”に国籍付与を

中井国家公安委員長は、脱北者の受け入れ緩和のために、北朝鮮人権法の改正に向けて検討を始めると報じられています。しかしながら、脱北者の受け入れは、同一民族の国家である韓国が行うべき義務なのではないでしょうか。 東西分裂時代のドイツでは、”東ド…

アフガニスタンは見捨てられるのか

民主党政権がインド洋での給油活動から撤退することを決めたことに加えて、アメリカでも、オバマ大統領は、アフガニスタンへの増派には否定的な見解を示していると伝わります。アフガニスタンの将来には、暗雲が立ち込めており、タリバン政権復活の悪夢も脳…

中国という軍事大国と向き合う日本

昨日、建国60周年を記念して、中国の首都北京では、人民解放軍による軍事パレードが催されたようです。一糸乱れぬ兵士達の行進は、ソ連邦や北朝鮮を彷彿とさせたのですが、この光景は、日本国に対して、軍事大国化した中国と向き合わねばならない現実をつ…

北朝鮮は「愚者の船」か

原子爆弾は、一瞬の閃光の下で多数の人命が無残にも奪い去られる恐ろしい兵器であることに異論はありません。そうであるからこそ、その圧倒的な威力を手にしようとして、禁を犯す人間が出現することも珍しくはないのです。 報じられているニュースによると、…

中国の時代錯誤の植民地主義

台湾、チベット、東トルキスタンなどでは、今日に至るまで、中国に対して独立を求める運動が根強く続いています。中国政府は、台湾に対しては、2005年に「反国家分裂法」を制定して牽制し、また、チベットの亡命政府に対しても、国家分裂を煽ったとして常々…

G8が置き忘れたもの

昨日、イタリアのクライラで開催されていたG8が閉幕となりました。途上国を含めたG20への枠組み拡大や200億ドルの途上国支援など、一定の成果が強調されてはいるものの、このサミットには、一抹の寂しさを感じざるを得なかったのです。 それは、もち…

北朝鮮化するイラン

北朝鮮の核やミサイル開発について、イランとの協力がしばしば指摘されてきましたが、イランの現政権の統治手法や行動パターンを見てみますと、最近、だんだんと北朝鮮に似てきているのではないかと思うのです。 ”朱に交われば赤くなる”とは申しますが、独裁…

イランの抗議運動は第二の天安門事件となるのか

イランでは、大統領選挙の集計に不正があったとする疑いが浮上し、現職で当選したアフマディネジャド氏の対抗馬であった改革派のムサビ元首相を支持する人々がデモを組織し、激しい抗議運動を行っていると報じられています。この抗議運動のさなかに、民兵の…

アメリカの北朝鮮政策担当者は不安定要因?

アメリカの北朝鮮政策を担当する特別代表の権限が、政府の政策決定においてどの程度の影響力を持つかについては詳しくは分かりません。しかしながら、歴代の担当者の発言や行動が、北朝鮮問題の不安定要因となっているようにも見受けられるのです。 先代のヒ…

北朝鮮問題の根源は自己中心主義

北朝鮮が六カ国協議から離脱したのは、アメリカとの直接交渉に持ち込むための瀬戸際作戦ではないか、との見方があります。この見方によりますと、北朝鮮は、核を放棄することと引き換えに、アメリカから金正日独裁体制の承認のお墨付きをもらい、合わせて経…

北朝鮮の核問題-話し合い路線が消えたとき

国連安保理における非難声明の採択を受けて、北朝鮮は、六カ国協議を開く必要性はなくなったとし、核開発を推進する姿勢を示したと伝えられています。この発言は、北朝鮮が話し合いによる解決の道を自ら放棄する宣言となりそうです。 結局、六カ国協議は徒労…