時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アメリカの北朝鮮政策担当者は不安定要因?

アメリカの北朝鮮政策を担当する特別代表の権限が、政府の政策決定においてどの程度の影響力を持つかについては詳しくは分かりません。しかしながら、歴代の担当者の発言や行動が、北朝鮮問題の不安定要因となっているようにも見受けられるのです。

 先代のヒル国務次官補は、”ヒル・ジョンイル”という渾名されていたと伝わるほどに、北朝鮮に対する融和的な姿勢が目立ち、本来、核問題について厳しい姿勢で臨まねばならない交渉が、いつのまにか北朝鮮ペースになるという状況がしばしば見られました。先日、新たに特別代表に就任したボスワース氏についても、米朝直接対話に期待するかのような、先代と同様の融和的な発言が報じられており、また、大統領や国務大臣との微妙な見解の違いも見られます。

 アメリカの政策目標は、北朝鮮の核放棄を実現することであって、北朝鮮を甘やかし、安全保障上の脅威が増すことではないはずです。しかしながら、度重なる融和政策の結果は、北朝鮮はミサイル発射を強行し、公然と核開発の再開を宣言でした。結局、融和政策が失敗であったことは、北朝鮮の行動によって明らかとなったのです。にもかかららず、何故、北朝鮮政策担当者があいも変わらず融和派であり続けるのか、まことにもって不思議なことと思うのです。

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