時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

シリアの化学兵器使用-オウム真理教に甘かった日本国

 シリアにおいて化学兵器が使用されたことがほぼ確実となったことから、アメリカを筆頭に、軍事介入が取り沙汰されています。証拠不十分と言うこともあり、イギリスが介入を断念するなど、今後の展開が注目されるところですが、使用された化学兵器は、サリンである可能性が高いそうです。

 考えても見ますと、人類史上、最初にサリンが無差別殺人に使用されたのは、オウム真理教による地下鉄サリン事件であったのではないかと思うのです。この時、村山内閣は、オウム事件と海外との繋がりを否定し、オウム事件は、狂信的なカルト集団が引き起こした国内的な事件として処理しました。しかしながら、オウム真理教は、ロシアで軍事訓練を実施するなど、活動を海外にまで広げており、サリンの製造技術は、こうした海外脈から入手した可能性があります。否、サリンの製造には、高性能な設備と専門的な技術を要しますので、サリンそのものをも密輸入していたかもしれないのです。当時から、ロシアや北朝鮮の影が指摘されながら、国内問題として矮小化して片づけ、オウム真理教の後継集団の存続まで許した日本国政府の対応は、あまりに甘かったと言わざるを得ないのです。

 当時、この事件を、国際問題として扱っていたとしたならば、化学兵器の技術や製品の取引に関する情報網を追跡できたでしょうし、その国際的な拡散を防ぐことにも貢献できたかもしれません。シリアでの化学兵器使用は、その背後に蠢くロシア、イラン、北朝鮮キューバ、そして、中国とも繋がる国際的な隠れた軍事協力の存在を示唆しているように思えるのです。

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