時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の時代錯誤の植民地主義

 台湾、チベット東トルキスタンなどでは、今日に至るまで、中国に対して独立を求める運動が根強く続いています。中国政府は、台湾に対しては、2005年に「反国家分裂法」を制定して牽制し、また、チベットの亡命政府に対しても、国家分裂を煽ったとして常々批判を繰り返しています。今日、深刻化しております東トルキスタンウイグルの人々の抵抗運動にも、国家分裂を促すとして弾圧を加えました。このような弾圧事件が発生する背景には、自国の植民地主義に関する中国の無自覚あると思うのです。

 1955年にインドネシアのバンドンで開催されたバンドン会議は、インドと中国が中心となって、反帝国主義と反植民地主義、および、民族自決の原則を掲げたことにおいて、その後の植民地独立と第三世界の形成に多大な影響を与えました。バンドン会議では平和10原則が採択され、その第7条には、”侵略または侵略の脅威・武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立をおかさない”とありますし、 第8条には、”国際紛争は平和的手段によって解決”すべしとあります。この会議には、中国も関与しており、植民地主義が過去のものであることは分かっていたはずなのです(2005年にはバンドン会議50周年記念の式典が開催され、中国の胡錦涛主席も出席・・・)。その一方で、今日の中国のあからさまな植民地主義は、どのように弁明しても弁明できるものではありません。

 中国の道徳は、他人を縛るためにあると評されている通り、言行不一致は甚だしく、植民地主義に反対するならば、武力で併合した国の主権を返還すべきなのではないでしょうか。中国は、現代という時代に合った行動様式と解決方法を示しませんと、時代から取り残されてしまうと思うのです。

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