時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮化するイラン

 北朝鮮の核やミサイル開発について、イランとの協力がしばしば指摘されてきましたが、イランの現政権の統治手法や行動パターンを見てみますと、最近、だんだんと北朝鮮に似てきているのではないかと思うのです。

 ”朱に交われば赤くなる”とは申しますが、独裁者を守るための親衛隊の重用や恐怖政治による体制維持のみならず、抗議行動の原因を外国に求める姿勢も似てきています。北朝鮮には、不都合な事を、それがたとえ自が実行した犯罪行為であったとしてても、他国に責任転嫁するという習癖があります。これは、一説によれば、主体思想の影響とされており、自己中心の考え方が極地に達しますと、すべては他国が悪くて、自国は悪くない、という思考回路に陥ります。イランもまた、現政権に対する抗議行動は外国、特にイギリスによる煽動と見なし、選挙に際しての自己の不正行為や国民弾圧については、知らんぷりを決め込んでいるようなのです。

 独裁者の採る手法や行動パターンは、得てして古今東西を通して共通性があり、核やミサイル技術の他に、イランが、北朝鮮から恐怖政治の手法を学んだとは断言できません。しかしながら、イランが、より強固な弾圧体制に歩を進めていることも確かであり、中東に、国際社会に背を向けた独裁国家が出現してしまう危険な兆候を見逃してはならないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>