時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の貿易赤字の信憑性

 本日の新聞に、中国が貿易赤字となったとする記事が掲載されていました。この貿易統計は、信じられるのでしょうか。

 つい最近まで、中国政府は、自国は、いち早くリーマン・ショック以来の金融危機から抜け出し、貿易も危機前の水準に回復していることを自慢していました。中国の方法が正しいと。しかしながら、ここにきて、元高を容認したわけでもないのに、中国が貿易赤字国に転じるとは、俄かには信じられないのです。中国当局の発表する統計は、常々政府の”作文”と見なされてきましたが、貿易赤字もまた、貿易不均衡への国際的な非難をかわすための”作文”であるのかもしれません。また、政府が率先して”海外お買い物ツアー”を奨励していましたので、一時的に、輸入を増やしたとも考えられます。

 貿易赤字の発表の背景には、外国からの圧力に屈する形で元高容認に踏み切りたくない中国当局の思惑があるとも考えられますが、そこまでして、”自主性”を重んじる中国の態度は異常です。北朝鮮にも自国中心主義の”主体思想”がありますが、国際協調や国際協力を軽んじ、自己中心主義としての”自主”に固執する精神構造が不思議に思えるのです。

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