時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国際情勢

事実を求める中国国民が歴史を変える?

共産党の戦術において、プロパガンダとは、国民を誘導し、扇動するために不可欠の手段です。このため、”目的のためには手段を選ばず”の姿勢は徹底されており、嘘の宣伝が当たり前のように繰り返されてきました。ところが、ここにきて、中国の知識人が、嘘の…

”イマジン”-もし、結果が逆になったら?

今日は、ビートルズのメンバーであったジョン・レノン氏が銃弾に倒れた命日ということで、日経新聞の春秋にも、氏が作曲した”イマジン”が取り上げられていました。この曲のテーマは、国境なき世界のパラダイスであり、平和運動の象徴としても歌われている言…

福祉国家の国籍は価値が高い

働くことなく月々十数万円の収入を得ようとすれば、今日のような低金利時代にあっては、相当額の預金や有価証券を保有していなくてはなりません。医療費などの突然の出費への備えも合わせますと、かなりのお金持ちでなくては、月十数万円といった所得を得る…

アジア開発銀行は北朝鮮に融資してはならない

アメリカ政府の北朝鮮に対するテロ支援国家により、北朝鮮には、国際機関から融資を受ける道が開かれると言います。世銀の場合にはIMFへの加盟が条件となり、かなりハードルが高いのですが、アジア開発銀行の場合は、そうでもないらしいのです。 アジア開発…

北朝鮮のテロ国家解除でも経済制裁を

本日、アメリカ政府が、今月11日にも北朝鮮のテロ国家指定解除に踏み切るとのニュースが駆け巡りました。解除となりますと、北朝鮮は、国際機関からの融資を受けられることになります。もし、国際機関が、北朝鮮への融資を再開するとしますと、これは、国際…

北朝鮮の国民に体制の選択を

ニュース報道によりますと、北朝鮮の体制崩壊を視野に入れて、米中間で事後策が話し合われたと言います。中国が関与する時点で、民主化が困難となることは予測できるのですが、本来ならば、やはり、北朝鮮の国民が自分の国の体制を選択するのがベストではな…

北朝鮮の体制崩壊のチャンスは来るのか

かねてより金総書記の健康不安説は囁かれていながらも、今回の重病説(死亡説も・・・)には、かなりの信憑性があるようです。もし、この説が事実であるとしますと、その後の展開には、いくつかのシナリオが考えられます。 第一のシナリオとは、総書記職、あ…

納得できないロシアの言い分

本日、ロシアのプーチン首相は、グルジア紛争は、マケイン共和党候補を大統領選挙に勝たせるためのアメリカの陰謀である、とする説を唱えたとの報道がありました。しかしながら、この紛争の経緯を考えますと、やはり、ロシアの言い分には、納得できない部分…

長期的な信用を考えない中国

北京オリンピックの開会式では、CGによる映像を使っていたり、革命歌を歌った少女が”口ばく”であったりしたため、”見かけ”重視の演出が批判されることとなりました。この事件で明らかとなったことは、中国政府、あるいは、開会式を演出した人は、一時の誤魔…

アメリカ大統領のオリンピック観戦の意図とは?

南オセチアにおいて、ロシア軍によるグルジア占領が深刻さを増している中、アメリカのブッシュ大統領は、北京オリンピックで観戦を続けているとの報道がありました。最初は、何とものんきなもの!と、呆れたのですが、もしかしますと、この観戦には、別の意…

南オセチア侵攻と国連の限界

日本国では国連信仰が強く、あらゆる国際紛争は、国連によって解決されると信じる人々が多く存在しています。憲法第9条もまた、国連への依存が背景にあります。しかしながら、ロシア軍による南オセチア侵攻を見る限り、やはり、国連は、いざという時には機…

プーチン首相はソ連型思考から脱却を

本日、ロシアのプーチン首相が、不正疑惑のある石炭大手会社の社長を、”医者を送り込んで始末せざるをえない”と発言し、物議を醸しているようです。なぜならば、”始末”とは、旧ソ連邦では、”皆殺”とか、”暗殺”の隠語であるらしいのです。 この発言が災いして…

満州はパンドラの箱?

本日、ロシアと中国との間で、大ウスリー島などの国境線を画定する合意文書が署名されたとする報道が伝えられました。北方領土や竹島など、領土問題に関する話題が注目を集める中、この合意は、中国の複雑で不安的な領土拡張の歴史の一端を覗かせている、と…

ひとりっ子政策は中国人の心を変えたのか

四川大地震の被害現場の映像の中で、特に見る者の涙を誘ったのは、大切に育ててきた子供を失っった悲しみに泣きくれる親御さんたちの姿でした。中国人の親子関係については、かつては子沢山であったこともあってか、親孝行の道徳は強調されることはあっても…

倫理と愛国との葛藤が待っている中国の人々

北京オリンピックの聖火リレーとともに、世界各地では、動員された中国人による大規模な愛国主義運動の嵐が吹き荒れました。しかしながら、この愛国主義は、あまりに空しい結末を迎えるように思うのです。 人々の耳目を集めるという意味においては、確かに、…

革命の論理ではチベット侵略を正当化できない

中国によるチベット侵略の擁護論として、当時のチベットには封建的な土地制度があって、地主から搾取を受ける農奴の人々が沢山いた、という主張が聞かれることがあります(中国側のプロパガンダかもしれませんが…)。つまり、人民解放軍は、チベットの農奴を…

米国務次官会談でチベットは主権回復へ動くのか

伝えるところによりますと、チベット亡命政府のダライ・ラマ14世は、今月21日に、アメリカ国務省次官のドブリャンスキー氏と会談を持つ予定といいます。中国の反発を押して、この会談が実現すれば、チベットは、主権回復に向けて動き出したことになるの…

事実を事実として認識できない中国

毒入り餃子事件については、日中両国の警察当局が捜査協力に合意しつつも、中国当局は、なかなかメタミドホスの混入地が中国であることを認めようとはしないようです。この頑固な態度には、中国政府のイデオロギー絶対のメンタリティーが影響していると思わ…

”愛国無罪”が毒入り餃子事件を生む?

中国で発生した反日暴動に際して、”愛国無罪”というスローガンが声高に叫ばれたことは、記憶に新しいところです。このスローガンには、たとえ犯罪行為であっても、愛国心から出たものは無罪であるべき、という意味が込められていますが、毒入り餃子事件の背…

ビルマに国造りのチャンスを

ビルマの軍事政権は、ようやく国際社会の批判に応えるかのように、新しい憲法を制定し、民主的な選挙を実施する方向に歩み始めようです(本日付産経新聞朝刊)。民主化への重要な一歩を踏み出したようにも見えるのですが、昨年の国民弾圧事件を思い出します…

市場経済を利用するしたたかな中国

1989年、社会・共産主義国がドミノ倒しのように崩壊した時、主要な経済的要因は、硬直化した計画経済の行き詰りにある、と指摘されてきました。政経一致の共産主義にあっては、経済システムの失敗は、即、政治における体制崩壊をもたらすことになったの…

中国の砲艦外交は日中友好を破壊する

近年、中国の急激な経済発展を背景に、中国との友好関係の強化がしきりに謳われるようになりました。しかしながら、ここに至って、東シナ海ガス田での日本国の試掘作業に対して、中国政府が、艦隊の派遣を示唆したという報道がありました。もしこの事が事実…

中国は南京大虐殺を非難するなら国際刑事裁判所に加盟を

今年の7月に、日本国は、国際刑事裁判所(ICC)ローマ規約の締約国となりました。本規約については、問題点や限界も多いのですが、集団的殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪が、現在までのところ、対象となっていると言います。 ところで、ローマ規約は…

悪が善に倒錯する北朝鮮

新聞報道によりますと、北朝鮮は、1994年の枠組み合意を無視し、NPT体制に反して強硬に実施した核実験を「偉大なる奇跡」と自画自賛していると言います(産経10月10日付朝刊)。国際社会を騙して恐喝の手段を獲得したことが、どうして”尊厳の高い民族”の”偉…

民主党の国連従属政策の的外れ

2001年以来、継続してきた海上自衛隊によるインド洋における給油活動は、終に、民主党の強固な反対を受けて、中断に追い込まれることになりました。その一方で、民主党は、政権をとった暁には、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)には、自衛隊を参…

軍事独裁国家は”外套”を脱ぐのか?

今回の南北首脳会談は、あたかも、韓国の蘆武鉉大統領が推し進めてきた”太陽政策”の総仕上げのような観を受けます。南北首脳宣言では、朝鮮戦争の平和条約による平和体制の構築や韓国による大型の経済支援などが謳われました。しかしながら、最も肝心なこと…

北朝鮮にも民主化要求を

ミャンマーで発生した一連の弾圧事件は、軍事政権の恐ろしさを伝えるに余りある出来事でした。何故ならば、物理的な力を独占している軍事政権にとって、国民の不満や抵抗を圧殺しすることはいとも簡単であることを示したからです。この体制が、如何に国民に…

ミャンマー情勢の”鎮静化”に注意を

ミャンマー情勢に対して使われている”鎮静化”という言葉は、使う者の立場によって、180度違う内容を意味してしまう可能性があります。 日本政府を始めとして、民主国家の多くは、この”鎮静化”という言葉を、政府が国民に対して武力弾圧をしない状態、つまり…

日本国政府はミャンマーの軍事政権にNoを

昨日、僧侶を中心としたデモ隊に対して治安部隊が発砲するという流血の衝突となったミャンマーでは、未だ、予断を許さぬ状況が続いているようです。現在、軍による弾圧に対して、国連安保理では、緊急の非公式会合が開催される一方で、アメリカや欧州諸国で…

対アジア外交における日本国の使命とは

中国や北朝鮮の国民が、自国の政府に対して不満を抱いていることは、中国での暴動事件や脱北者の報道から伺い知ることができます。この不満は、当然に、これらの諸国の強圧的な国家体制に起因しているのですが、我が国が、外交政策として、こうした諸国の政…