時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府はミャンマーの軍事政権にNoを

 昨日、僧侶を中心としたデモ隊に対して治安部隊が発砲するという流血の衝突となったミャンマーでは、未だ、予断を許さぬ状況が続いているようです。現在、軍による弾圧に対して、国連安保理では、緊急の非公式会合が開催される一方で、アメリカや欧州諸国では、既に独自の制裁に向けて動き出しています。

 このミャンマーの事件で明らかになったことは、国連の枠組みでは、ミャンマーの軍事政権のバックとなっている中国とロシアの反対があり、必ずしも、ミャンマーに対して国際社会が一致して厳しい姿勢を示せそうにないことです。このため、欧米諸国では、独自路線を選択することになったのですが、このことは、日本国政府に対しても、軍事政権に対する態度の表明を迫るものとなりましょう。

 新聞報道によりますと、日本国政府は、西欧諸国との違いを理由に制裁発動に対しては慎重な姿勢を示していると言います(9月27日付産経新聞朝刊)しかしながら、アジアの国であることを理由に軍政が許されるはずもなく、国民を虐める圧政は、人類共通の敵のはずです。日本国政府は、ミャンマーの国民を救うべく、軍事政権に対しては、明確にNoを表明し、制裁に参加していただきたいと思うのです。この態度なくして、日本国が、中国とは一線を画した、アジアのリーダーたり得ることはないのではないでしょうか。