時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アメリカ大統領のオリンピック観戦の意図とは?

 南オセチアにおいて、ロシア軍によるグルジア占領が深刻さを増している中、アメリカのブッシュ大統領は、北京オリンピックで観戦を続けているとの報道がありました。最初は、何とものんきなもの!と、呆れたのですが、もしかしますと、この観戦には、別の意図があるのかもしれません。

 第一の憶測とは、自国民を保護するために、中国政府に対する牽制です。大会初日に、アメリカ人の観光客が殺害されるという事件も発生し、中国の治安体制は、必ずしも万全ではありません。しかも、アメリカ人が狙われているのですから、大統領としては、心配な限りのはずです。

 第二に考えられることは、南オセチアにおける緊張を高めることを避けているという見方です。ここで大統領が、緊急に帰国するとなりますと、アメリカの軍事介入が取り沙汰されることになります。もっとも、南オセチアの事態収拾には、時間を置く姿勢を示すことによって、緊張を緩めようとしたのかもしれませんが、もしかしますと、ロシアの侵攻を助長する結果を招いたかもしれません。

 第三に、北京オリンピックのイメージを改善するために、敢えて、かの地に留まっている可能性もあります。チベット弾圧により、血塗られたオリンピックとなった北京オリンピックへの非難を、アメリカの介在によって薄める効果を狙ったのかもしれません。この憶測では、アメリカは、中国、または、オリンピック委員会に恩を売ったことになります。

 以上に挙げた理由は、あくまでも憶測に過ぎず、本当は別の理由があったのかもしれません。しかしながら、ブッシュ大統領が、この時期に北京に滞在していることには、表面には見えない何らかの意図があるように思うのです。

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