時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

オリンピックの開催時期と紛争

 昨日、ブラジルのリオでオリンピックが華々しく開催されました。既に競技も始まっており、テレビの画面に釘付けになっているスポーツ愛好者も少なくないことでしょう。その一方で、オリンピックの開催時期には、要注意な面があります。

 北京オリンピックが開催された2008年8月8日は、ロシアがジョージアに侵攻した日でもなります。南オセチア内のロシア人保護を名目としてグルジアに侵攻したロシアは、その後、南オセチアジョージアから一方的に独立させ、その状態が固定化されたまま今日に至っています。この事件は、国際社会がオリンピックに注目している隙を狙って起こされており、各国の対応も後手後手となったのです。今般、尖閣諸島周辺海域では、中国の侵略的な軍事行動が活発化し、遂に、尖閣諸島領海において”領海警護”の活動を開始しました。杭州でのG20の開催が予定されている9月までは、ホスト国である中国は大人しくしているであろうとする見解が大方の予想であったそうですが、その予測を逆手に取るかのように、中国は、電撃的とも言える手法で尖閣諸島を狙ってきたのです。これが常態化しますと、当然に、尖閣諸島は中国の手に落ちかねません。ジョージアの二の舞になる可能性もあるのですから、少なくとも、国際的な大イベントの開催時期は、要注意なのです。

 この点に関しては、明日に予定されているビデオによる天皇陛下のお気持ちの表明にも、どこか胸騒ぎがします。何らかのスケジュールの存在が伺われ、陛下の真意であるのか、それとも誰かが執筆した文章を読んでいるのか、国民には、判別することができないからです。今般の中国関連の一連の事件と関連がないことを祈るのみです。

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