時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ベトナムに対する中国の横暴-身の置き場がなくなる親中派

 尖閣諸島をめぐっては、中国の主張を擁護する声も少なくなく、連日の領海侵犯についても、右傾化した日本国に非があると言わんばかりの論者も散見されます。しかしながら、ここにきてベトナムに対してとった中国の横暴な態度は、親中派の身の置き場をなくしたのではないかと思うのです。
 
 今度ばかりはさすがの親中派も、中国の行動を是認できないはずです。一方的に、争いのある海域で石油採掘設備を建設し、これを阻止をしようとしたベトナム艦船に対して高圧放水銃を発射したり、体当たりをしてきたのですから。この事件に対する各国の反応を見ましても、中国批判一色であり、武力による現状の変更に対してNoを表明しています。ベトナム本国のみならず、日本国内でも、在日ベトナム人による反中デモが発生し、中国の横暴に対する抵抗も広がりを見せています。本来、領有権争いがあることを当事国が認めているパラセル諸島以上に、領有権が確立している尖閣諸島に対する侵害行為の方がはるかに悪質ですので、親中派の人々は、もはや尖閣諸島においても、中国の行為を擁護できない状況に追い詰められているのです。
 
 中国は、国威発揚とばかりに周辺諸国に対して強行手段に訴えていますが、こうした行動をとればとるほど、親中派の擁護論や工作員の影響力は失われてゆきます。中国政府は、暴力の時代が過ぎ去り、法の支配へと移りつつあることを自覚すべきではないかと思うのです。
 
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