時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ロシアに”どんでん返し”はあるのか

 ロシアの南オセチアとアブハシアの独立承認は、かねてからの筋書き通りであったのかもしれません。そうして、次の一手は、ロシア連邦への加盟なのではないか、と疑うのですが、果たして、事態は、ロシアの思惑どおりに進むのでしょうか。

 もし、最後の”どんでん返し”があるとしますと、それは、ロシア連邦を構成する共和国の独立要求なのではないか、と思うのです。現在のロシア憲法では、自治共和国の独立権は認められていません。それ故に、チェチェン紛争が、テロを伴う激しいものとなったのですが、ロシアは、両地域の独立を、民族自決の原則に基づいて認めた限り、自国内部の各共和国に対してもその権利を認めないとダブル・スタンダードとなります。

 もちろん、ロシアは、このダブル・スタンダードなどお構いなしで、軍事力によって強引に占領政策を続けるかもしれません。しかしながら、長期的な視点から見ますと、何らかのきっかけがあれば、共和国が反ロシアに転じるとも限らないのです。帝国とは、やがて滅びるのが歴史の常です。最後の”どんでん返し”が、いつかロシアに訪れるかもしれません。

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