時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”イマジン”-もし、結果が逆になったら?

 今日は、ビートルズのメンバーであったジョン・レノン氏が銃弾に倒れた命日ということで、日経新聞の春秋にも、氏が作曲した”イマジン”が取り上げられていました。この曲のテーマは、国境なき世界のパラダイスであり、平和運動の象徴としても歌われている言います。しかしながら、ふと頭を過るのは、もしかしたら、結果が逆になるのではないか、という心配です。

 春秋では、”イマジン”について、「二十一世紀になったら世界が平和になると思ったのに、ますますひどくなる。・・・」という、歌手の忌野清志郎氏の言葉を載せています。そうして、このますますひどくなったこの時代とは、各国が、国境を低くしていった時代でもあるのです。このことは、たとえ国境を消し去ったとしても、人類が平和なわけではないことを示唆しているのかもしれません。地球上には、宗教、民族、思想、価値観、経済格差などが原因になって、人々の間の争いごとが絶えないかもしれないのです。実際に、テロリストや国際マフィアは、国家のアイデンティティーではなく、宗教や思想、あるいは、犯罪利益を紐帯として国境を超えて活動しています。

 もし、理想を追求すればするほど、現実には理想から離れていくとしたら、何と皮肉なことでしょうか。わが国の政府も、改正国籍法や移民政策などに見られるように、ひたすらに国境をなくす方向にひた走っています。もたらされる結果を考えずに、理想をふりかざすことは、罪作りなことなのではないか、と思うのです。

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