時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

キリスト教を憎むイルミナティーの善悪循環思想

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。イルミナティーの思想では、善と悪とが輪として繋がっており、悪を極めれば善に至る、地獄を極めれば天国に行けるという説は、善と悪とが輪によって繋がっているということを前提とした思想です。しかしながら、そもそも、本当に善と悪とは、輪によって繋がっているのでしょうか。
 
テクス・マースTexe Marrsの研究は、『Conspiracy of the Six-Pointed Star: Eye-Opening Revelation andForbidden Knowledge About Israel, the Jews, Zionism, and the Rothschilds (『ダビデの星の陰謀:イスラエルユダヤ人・シオニズムロスチャイルドをめぐる啓発的暴露と禁断の知識)』(River Crest Publishing, 2011年)を含めて、いわゆる、米国のマスコミなどによって、‘謀略もの’、すなわち‘眉唾もの’として扱われ、その論説は低く評価される傾向にあるようです(マース氏は、米国空軍に長年勤務し、テキサス大学で教鞭をとっているそうです)。しかしながら氏の説には、十分に説得力があります。
 
 善と悪は輪によっては繋がってはおらず、断絶しており、悪をなした人達は、そのまま奈落、地獄に落ちるという思想がキリスト教の思想であり、このようなアンチ・イルミナティーゆえに、‘ユダヤ人’たちは、キリスト教徒を憎み、全世界のキリスト教徒を亡き者にしようと計画しているというマース氏の説は、イルミナティー(ロスチャイルド家・サスーン家・イエズス会を中心とした「黒いユダヤ人」の国際組織)が現実に存在しており、なぜこれほどまでに、キリスト教国、ならびにキリスト教徒の全滅を目指しているのか、その理由をよく説明しているようです。イルミナティーは、この世は闇darknessがあってよいと考え悪を奨励する宗教ですが、キリスト教徒は、この世は、善の光lightnessや純粋さpurenessに満たされてはじめて理想の世界となるという宗教であるからです。

この点、神道であれ、仏教であれ、日本国の宗教観も、キリスト教と共通しています(キリスト教の一派を自称する統一教会や、日蓮宗から派生しながらパーソナルカルト化した創価学会等のカルト系教団だけは例外かも知れない…)。つまり、キリスト教の宗教観では、悪事を容認するイルミナティーの居場所はなく、『新約聖書』の”暴露録(黙示録)The Revelation”においても、神の裁きを受けて滅ぼされる運命が待ち受けているのです。
 
イルミナティーのメンバー達は、キリスト教によって「地獄行き」が決定づけられているが故に、キリスト教徒に対しまして、執拗なまでの憎しみを持っているということになるのです。

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(続く)