時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮にも民主化要求を

 ミャンマーで発生した一連の弾圧事件は、軍事政権の恐ろしさを伝えるに余りある出来事でした。何故ならば、物理的な力を独占している軍事政権にとって、国民の不満や抵抗を圧殺しすることはいとも簡単であることを示したからです。この体制が、如何に国民にとって不幸なことか、想像力があれば、誰でも思い至ることができます。

 そうして、北朝鮮もまた軍事独裁国家です。現在、核問題に関しましては、六カ国協議が開催されていますが、不思議なことに、誰も、北朝鮮の国家体制に根本的な原因があることを言い出しません。もちろん、当事国やその支援国家が民主化を言い出すはずもありませんが、せめて、民主国家である日米両国は、北朝鮮に対して民主化を求めても良いように思うのです。

 問題の根本的な原因が、体制自体にある場合、どのように取り繕っても、結局は、解決とはなりません。より本質的な問題に踏み込んでこそ、展望が開けるかもしれないのです。