時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国は南京大虐殺を非難するなら国際刑事裁判所に加盟を

 今年の7月に、日本国は、国際刑事裁判所ICC)ローマ規約の締約国となりました。本規約については、問題点や限界も多いのですが、集団的殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪が、現在までのところ、対象となっていると言います。

 ところで、ローマ規約は、虐殺やジュノサイドを裁くことに重点が置かれているようなのですが、この点を考慮しますと、南京大虐殺を常々声高に非難してきた中国が、何故、未だに未加盟の状態にあり、かつ、この規約に対して後ろ向きであるのか(1998年の採択に際して反対・・・)、不思議なところです。自らの主張に筋を通すならば、日本国に先駆けて加盟してもよいところなのですが・・・。

 察しますに、その理由は、中国は、過去ではなく現在において、このローマ規約に反する行為を行っているからではないか、と思うのです。チベット人ウイグル人に対します中国の態度は、まさに、”集団の抹殺”を想起させます。つまり、中国は、国際刑事裁判所の被告となる可能性が極めて高いのです(現状では、非締約国の管轄権受諾の宣言が必要・・・)。果たして、中国が国際刑事裁判所に加盟する日は訪れるのでしょうか。