時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

事実を求める中国国民が歴史を変える?

 共産党の戦術において、プロパガンダとは、国民を誘導し、扇動するために不可欠の手段です。このため、”目的のためには手段を選ばず”の姿勢は徹底されており、嘘の宣伝が当たり前のように繰り返されてきました。ところが、ここにきて、中国の知識人が、嘘の報道を支持しないとして、国営中央テレビ(CCTV)の視聴をボイコットすることを表明したというのです。このボイコット運動は、もしかしますと、内外両面において、中国の現体制を揺さぶることになるかもしれません。

 国内においては、国民の多くに政府提供の情報に免疫ができてしまい、CCTVの報道に踊らされることがなくなるかもしれません。つまり、中国政府が懸命にテレビを通してプロパガンダを繰り広げても、国民は、誰も、その報道内容を信じなくなるのです(日本のマスコミにも同じような心配が…)。一方、対外的には、歴史認識における日中の摩擦に変化が生じるかもしれません。知識人とは、真実を求めるものですので、歴史において起きた出来事についても、イデオロギーに染まった歴史観で見るよりも、事実の究明に関心を向けるようになるかもしれないからです。

 将来において、中国の人々が、これまでの嘘を暴き、事実に目を向けるようになりますと、あるいは、アジア情勢も大きく好転するきっかけとなる可能性もありましょう。嘘を厭う人々の健全な心が、中国の未来を、そうして、アジアの未来を切り開くことを願うのです。

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