時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

解散時期―公明党に配慮する理由とは?

 新聞報道によりますと、麻生首相は、衆議院の解散時期について、公明党に一定の配慮を示したそうです(1月11日付日経新聞朝刊)。この配慮とは、7月の都議会選挙と重ならない、ということらしいのですが、それでは、公明党は、何故、都議会選挙と同時の衆議院選挙が不都合なのでしょうか。

 もし、公明党が、普通の政党であれば、都議会選挙との同時選挙は、何らの問題もないはずです。他の政党からも、国と都との同時選挙を避けたいという意見は聞こえてきません。実際、正々堂々と選挙を行っていれば、特定の政党に、同日選挙が不利益をもたらすことはないのです。

 しかしながら、公明党は、解散総選挙都知事選挙の時期をずらそうと目論んでいると指摘されております。状況から推測しますと、その理由として挙げられることは、公然の秘密とも言われる住民票の移動作戦と思われるのです。故永田議員が、この件を指摘した結果、千葉簡易裁判所から名誉棄損罪で罰金を科されましたが、この判決を以て、公明党への疑いは晴れたのでしょうか。

 もし、公明党の不正な選挙戦術を理由に、衆議院の総選挙の日程が決まるとなれば、これは、大きな問題です。公明党は、国民に対して、何故、都議会選挙と衆議院選挙の日程が重なることを避けているのか、説明する義務があると思うのです。もし、説明責任を果たさないならば、国会が調査会を設置し、住民票の移動などを監視するか、あるいは、都が住民登録に関する情報を公開すべきなのではないでしょうか。もっとも、長期的には、地方自治体の選挙権については、居住期間を要件に加えるという方法が、不正を防ぐ有効な手段となるかもしれません。

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