時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

成人式を元服式に

 毎年、1月の今頃には、全国各地の地方自治体で、成人式が執り行われます。そうして、毎年のように、成人式での新成人たちの傍若無人ぶりが報道されるのです。ところで、自治体主催の従来の成人式には、継続してゆくだけの意義があるのでしょうか。

 現在では、成人式の多くがエンターテイメント化されており、遊園地で遊んだり、芸能人を招くなど、お遊びの一環となっているようです。しかしながら、成人式の本来の意義は、社会に対する責任を負うべき成人となるにあたって、その門出を祝うことにあります。成人となりますと、未熟であることが許された遊びの時代が終わり、人生の荒波に乗り出さなくてはなりません。そうであるからこそ、二十歳の門出を皆が祝うと共に、本人にも、成人としての自覚の芽生えを促すのです。

 日本国には、お宮参りに始まり、七五三という伝統行事もあり、ある年齢に達しますと、その都度に健やかな成長を願ってお祝いをいたします。二十歳もまた、大人となる節目の年齢と捉え、自治体の式典中心を脱して、神社やお寺さんにおいて、古式に則り、厳粛なる元服式を挙げてはどうかと思うのです(奈良時代の成人は21歳、平安以降は15歳・・・?)。大人への自覚を促すという側面において、元服式の方が、余程、大人への門出の儀式として相応しいのではないでしょうか。

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