時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

事実を事実として認識できない中国

 毒入り餃子事件については、日中両国の警察当局が捜査協力に合意しつつも、中国当局は、なかなかメタミドホスの混入地が中国であることを認めようとはしないようです。この頑固な態度には、中国政府のイデオロギー絶対のメンタリティーが影響していると思われるのです。

 イデオロギーとは恐ろしいもので、人間の認識能力を歪めてしまうようです。このため、イデオロギーによって認識力が曇ってしまうと、たとえ事実が証拠と共に示されたとしても、それを受け入れることができず、はねのけてしまうのです。これは、一種の自己防衛反応と言えるかもしれません。イデオロギーによって示された世界観が、事実によって壊されてしまうことを、無意識のうちに拒否しているのです。

 中国が、まっとうな国を築くには、まずは、人々の心の洗脳を解かなくてはなりません。事実を事実して受け入れるようになりませんと、誰も、中国政府の言い分を信じなくなります。現在に発生した毒入り餃子事件でさえ認めないとしますと、誰が、中国政府の過去に起きた南京大虐殺プロパガンダを信じましょうか。