時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

資源高が日本経済を襲う

 本日 ニューヨークの原油価格が101ドル台の最高値を記録し、これに関連して、日本国の貿易紀赤字も1年ぶりにマイナスに転じたとする記事が、夕刊の一面に踊りました(本日付日経夕刊)。もちろん、この最たる原因は、投機筋による原油先物買いらしいのですが、この状況は、日本国の経済にとってよいはずはありません。

 それにもかかわらず、日本国の金融庁証券取引所は、商品市場への投機資金の流入を促すような、規制緩和を検討しているとされており、これでは、方向性が逆のように思うのです。金融機関は、最大の利ざやを得るために行動するのですから、何らの規制もなければ、マネー過剰の現状にあって、資金が商品市場に流れ込むことは必至です。この結果、企業は、資金不足と原材料の高騰のダブル・パンチを受けることになるのです。日本国のみならず、各国とも、経済成長率が鈍ってきている要因は、サブプライムローンの問題のみならず、ここにもありそうです。

 日本国を含め、各国政府は、温暖化対策に対しては極めて熱心なのですが、投機規制に関しては、まったく手を打とうとはしていません。それどころか、投機促進政策を採ろうとさえしているのですから、もっと、経済全体に対する広い目配りが必要なのではないか、と思うのです。