時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府は”チベット自治区”を認めてはならない

 中国によるチベット併合の経緯を見てみますと、それが、軍事力と脅迫による非合法的な中国による”侵略”行為であることは疑いのないことです。それにも拘わらず、我が国の政府が、チベット問題を内政問題としたり、チベットを”チベット自治区”と表現することは、侵略を認めたかのごとき発言であると思うのです。

 本日、チベットダライ・ラマ14世が来日いたしましたが、平和的な解決手段として、欧米諸国をはじめとして、各国とも、ダライ・ラマ14世と中国政府との会談を求めています。このことは、国際社会が、ダライ・ラマ14世がいただくチベット亡命政府を、正式なチベットの代表として認め、中国と対等な立場で交渉することを望んでいることを示しています。チベットは、あくまでも、チベットの人々の国であって、中国の”不可分の領土”ではないのです。中国政府が、ダライ・ラマ14世との対話を拒否する理由も、亡命政府の法的な立場を認め、自らの侵略行為に向き合うことにならざるを得ないからに他なりません。

 日本国政府が、チベットをあたかも中国の領土とみなすことは、国際法の違反行為を追認するに等しく、間違っても、そうして、日本国の名誉のためにも、こうした見解を述べてはならないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願いいたします。
https://blog.with2.net/in.php?626231