時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カルマパ17世―活仏をも腐敗させる中国

 本日の新聞によりますと、チベット仏教カギュー派最高位のカルマパ17世のギュート僧院内の事務所が、大金隠蔽容疑で宅捜査されたそうです。この大金、中国政府からの資金提供の疑いもあるそうです。

 カルマパ17世は、カルマパ16世の転生者として、ダライ・ラマ14世のみならず、中国当局からも承認を受けているそうです。いわば、中国の”お墨付き”があるのですが、中国政府による傀儡化の危機を察知し、インドに亡命した経歴を持ち、現在は、チベット亡命政府の元におります。果敢なインド亡命の決行を考えますと、中国から資金供与を受けていたとは、俄かには信じられないのですが、カルマパ17世の知らない間に、側近が受け取っていた可能性もあります。

 この問題の深刻さは、俗人ではなく、欲を捨てたはずの仏教徒でさえ、中国の賄賂攻勢にからめ捕られたことにあります。ましては、世俗にあっては、どれだけ多くの人々が、欲に目がくらんで中国に籠絡されていることでしょうか。活仏さえも腐敗させようとする中国には、やはり、神も仏もいないのかもしれません。

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