時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”いじめ”が組織的破壊活動である疑い

 数年来、”いじめ”は、現代に特有の一種の社会現象として扱われ、対処法や対策も、心理学や精神医学などが総動員され、専門家の間でも真剣に検討されてきました。しかしながら、その勢いは猖獗をきわめ、衰える兆しは見えてきません。どうして、”いじめ”は、なくならないのでしょうか。

 そこで、もしかしたら、現代の”いじめ”とは、ある目的の下で行われる組織的な行為なのではないか、という疑いが頭に浮かんできました。今日の”いじめ”の特徴は、昔からあるような弱い者いじめではなく、人よりも抜きんでた人がターゲットになるそうです(週刊文春4月10日号)。もし、学校でのいじめの実態が、”才能潰し”であるならば、おそらく、その目的は、日本の教育崩壊と知的レベルの低下にあると思われるのです。そうして、いじめる側の子供たちは、おそらく、本来、道徳を教えるべき親や大人によって、いじめに対して罪悪感を抱かないよう、洗脳されているのかもしれません。悪がはびこり、誰もが口をつぐむ教室は、まるで、全体主義の監視社会のミニチュア版のようです。

 この疑いが、所詮は疑いに過ぎず、真実ではないことを願っています。何れにしても、子供達が、学校という教育の場で、相互に才能の芽を摘みあい、人材が潰されてゆくようでは、日本国の将来は閉ざされてしまいます。どこかで、この暗黒支配を打ち破らなければならないと思うのです。