時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

仏製品不買運動vs.中国製品不買運動

 中国では、パリで聖火リレーが妨害されたとして、インターネットでのフランス製品ボイコット運動が起きていると言います。おそらく、これもまた、中国政府による経済的なダメージをちらつかせた”恐喝”あるいは”脅迫”作戦の一つなのでしょう。こうした場合、道は、二つに一つ、ということになります。

 その一つは、中国の圧力に屈して、フランスは、大統領の北京オリンピック開会式出席を含めて、中国に対して大幅に譲歩し、謝罪するという道です。このことにより、フランスは、経済的利益は損なわれませんが、その代わりに、フランス革命以来の人権擁護者としての名誉と、国家的な威信が深く傷がつくことになります。

 もう一つの道は、仏製品不買運動をものともせず、中国製品不買運動で切り返す、という手段です。この方法ですと、中国に進出した一部の企業と安価な製品を求める一部消費者は損失を被りますが、フランスの名誉と威信は守られることになります。もしかしますと、中国との競争にさらされていた企業にとりましては、中国製品締め出しは朗報となるかもしれません。

 チベット問題の過酷さを考えますと、後者の道を選んでいただきたいと思うのですが、実のところ、この作戦がより高い効果を上げるためには、国際協力が必要です。チベット問題が、世界各地に大規模な中国製品不買運動を起こさせることになれば、今度は、ブーメランのように中国経済を直撃することになるからです。もし、中国が、経済を人質にして圧力をかけることがあれば、日本国民もまた、中国製品不買運動に積極的に協力すべきではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願いいたします。

<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>