善光寺さんはやめる勇気を

　今月２６日に、北京オリンピックの聖火リレーが長野県で行われるに際し、善光寺さんがその出発地点に予定されていると言います。中国政府のチベット弾圧が、チベット仏教の存在そのものを否定し、抹殺しようとする行為でもあることを考えますと、同じ仏教の善光寺さんが、すっかり中国への抗議の象徴ともなってしまった聖火リレーの出発地であることは、まことに相応しくないと思うのです。

　日本国政府も、長野県も、中国政府の期待どおりに、”無事”に聖火をスタート地点からゴールまで運ぶことこそ、”聖火リレーの成功”と見なしていることでしょう。しかしながら、それは、中国の残酷行為を追認し、自らが、中国政府の意向の下にあることを国際社会に向けて証明しているようなものです。マスコミをも動員して、一般の国民の人々には、チベット問題への抗議活動が目に触れないように、報道規制さえするかもしれません。

　せめて、善光寺さんだけは、リレーの出発点となることを辞退し、日本人の良心を示していただきたいと思うのです。やめることにも勇気が要りますが、仏様は、この事件を通して、人間の心を試しているように思えるのです。

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