時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国をチベットとの対話のテーブルにつかせよう

 先日、中国政府は、聖火リレーが自国への非難の場と化したことに懲りてか、チベット亡命政府に対して対話の申し出を行いました。しかしながら、この対話申込みの意図は、自国への非難を緩めるためのジェスチャーであるという指摘もありますし、実際に、その後は、音沙汰なしです。

 この対話の機会を逸してしまいますと、平和的な手段による解決は難しくなります。中国側は、祖国分裂の主張を止めること、抗議運動を組織することを止めること、北京オリンピックの妨害を止めることなどを条件として挙げているようですが、チベットは、もともと中国を祖国としているわけではありませんし、ダライ・ラマ14世が暴動を指揮したわけでもありませんし、ましてや、甘いとの非難を受けつつも北京オリンピック開催を支持さえしています。ですから、中国側には、条件を理由にチベットの交渉を拒否する理由はないはずなのです。

 心配なことは、中国が、いつものことで、交渉すると見せかけて事態を長引かせるている間に、秘かに目的、つまり、チベット民族浄化を達成してしまうことです(東シナ海のガス田も同じ手法…)。国際社会は、先の発言を、中国がチベットとの交渉開始を国際社会に確約したものとみなし、仲介国の名乗りを上げるなど、チベット救済へのステップを強引にでも推し進めるべきではないか、と思うのです。日本国政府には、仲介国となる意思と覚悟はあるのでしょうか。

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