時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

台湾民進党の勝利-自由があれば共産主義体制は選ばれない

 今月16日に台湾で実施された国政選挙では、野党であった民進党が圧倒的な勝利をおさめ、蔡英文政権が誕生します。この選挙、政治的な自由が保障されている体制では、誰もが、共産主義体制を忌避することを示唆しています。

 中国が、共産党一党独裁体制を堅持し、あくまでも、民主化や自由化に否定的である理由は、これらの諸価値を認めると、自らが消滅することを自覚しているからに他なりません。政府に対して批判的な言葉を発したり、政府批判本を販売しただけで行方不明となるような体制を、心から支持する人々が存在するとすれば、それは、その体制で特権を認められているごく一部の共産党員のみです。一般の人々にとりましては、自由のない世界、あるいは、政府や党から徹底的に監視される社会は苦痛でしかありません。台湾の人々が、民進党に一票を投じた理由は、国民党の親中路線の先に自由や民主主義なき台湾の姿を垣間見たからなのでしょう。台湾の政権交代は、人として自然な自由への渇望や民主主義への揺るぎない信頼の結果なのです。

 翻って、日本の国内を見てみますと、沖縄では、親中派によって”独立運動”が煽られており、全国的にも、SEALDsをはじめ、共産主義にシンパシーを感じている若者も少なくないようです。こうした人々は、台湾の選挙結果を、一体、どのように理解しているのでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。