時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

まさか在韓日本大使館が移転?

  昨日の産経新聞の朝刊には、韓国の日本大使館敷地から李氏朝鮮時代の建物の遺構が発見されたとする記事が掲載されておりました。日本大使館につきましては、その前に設置されている慰安婦像の撤去が問題となっておりますが、この遺構の発見、何を意味することになるのでしょうか。
 
 現在、日本大使館は建て替えのために解体されており、更地となっているようです。そうであるからこそ、敷地内の発掘調査が可能となり、遺構が発見されたのでしょう。韓国国内のメディアでは、この発見を大々的に報じているため、国民の関心度も高いようです。慰安婦像は、敷地に隣接して設置されているため、懸案の移転問題の口実となると思いきや、“調査のために慰安婦像を移設すべき”とする議論は起きていないそうです。発掘調査を目的とした慰安婦像の移転は眼中にないようなのです。となりますと、まさか、韓国国内の世論は、“遺構の保存のために日本大使館の方を移転させよ”とする方向に向かうのでしょうか。慰安婦像は民間の団体が設置、かつ、国民の大多数が慰安婦像の移転に反対しているため、韓国政府は、移転問題について打つ手がない状況にあります。
 
 韓国側は、慰安婦像が移転できないならば、日本大使館の方を移転させれば問題が解決すると考え、殊更に遺構発見に騒いでいるとも推測できます。仮に、韓国側からの申し入れがあったとしても、日本国側が、身勝手な大使館の移転要請に同意するとは思えません。果たして日本大使館内での歴史的遺構発見は、日韓関係にどのような影響を与えるのでしょうか。

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