時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

狂気の時代は去ったのか?

 しばしば、二度の世界大戦を引き起こした20世紀は、”狂気の時代”と言い表されています。理性を失った指導者達が、全人類を悲劇に導き、恐怖と禍に陥れた時代として…。

 前世紀の凄惨を極めた経験は、ヒトラースターリンといった独裁者のみならず、状況次第によっては、一般の人々までも狂気に駆られる可能性を示しています。それでは、今世紀は、この狂気から抜け出すことは出来たのでしょうか。内外の状況を観察しておりますと、そうとばかりは言えないように思えます。米ソ冷戦の崩壊後も、中国は共産主義国家として命脈を保ち、特異なイデオロギーによって国民の内面まで支配しようとしています。このイデオロギーの強要は、中国国内に留まらず、”歴史認識問題”として対日政策にも組み込まれてもいるのです。と同時に、共産主義の思想は、今なお諸国に広がっており、政党活動や教育などを通して、国内から洗脳や思想統制を試みています。加えて、韓国や北朝鮮の官民を挙げた過激なナショナリズムも、”狂気”のなせる業としか言いようがありません。

 実のところ、狂気の時代は去ったわけではなく、今日なおも、日本国のみならず、人類を脅威に晒しています。昨年のSEALDsの活動や年末の日韓慰安婦合意などにその危険性を見出すのは、心配性の私だけなのでしょうか。

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