時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

大阪市ヘイトスピーチ規制条例対策は逆効果

 言論の自由を侵害する恐れがあると指摘されながら、昨日、大阪市議会では、ヘイトスピーチ規制条例案が可決成立したそうです。運営次第では、この条例は、言論弾圧を伴う恐怖政治の道具ともなります。

 そもそも、事実が存在し、その事実に基づく限り、言論は、誹謗中傷ではないはずです。事実に付随する問題の指摘や問題解決のための政策提言が誹謗中傷に当たれば、如何なる政策論争も不可能となります。また、日常生活にあっては、悪口も言論の自由に含まれていますので、誹謗中傷は規制すべきとする議論も乱暴です。昨日も指摘したように、この規制条例は、在日韓国・朝鮮の人々が主導して成立したものですが、異民族間の摩擦は当然に起きるわけですから、むしろ、改善すべき点を含めて率直に意見を述べる環境こそが重要です。この条例の発案者が、言論を封じれば摩擦が起きないと考えているとしますと、考え違いも甚だしいのではないかと思うのです。自由闊達な発言こそが、問題を明らかにするのですから、ヘイトスピーチ規制は、言論統制の手段と見なされても致し方ないのです。

 当条例は、憲法違反である可能性が極めて高く、早晩、憲法訴訟が起こされることでしょう。表向きは民族を限定してはいないものの、実質的に特定の民族のみを保護することを目的とした条例の制定は、優遇措置のみならず、外国人に言論を封じる権力をも与えることになりますので、一般の日本人から反感を買い、結局、逆効果となるのではないかと思うのです。

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