時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

舛添知事の”問題はない”発言は問題

 東京都が1億3000万の予算を割いて作成したロゴ・キャッチコピー「&TOKYO」。キャンペーン事業を含めた関連予算は、5億円にも上るそうです。

 ところが、作品の発表後、オリンピック・エンブレムと同様の”パクリ”問題が発生し、ニュージーランドの弁護士事務所やフランスのメガネ・ブランドのロゴとの類似性が指摘されているそうです。この件に関する批判に対して、舛添知事は、著作権の対象にならず”問題はない”と発言していますが、”問題がない”という発言こそ、政治家の資質として問題ではないかと思うのです。何故ならば、問題があるのに問題がない、と頑迷に言い張る態度の政治家こそ、国民にとりましては信用ならないからです。少なくとも、1億を越える予算は、”パクリ”問題を避けるための調査費等に費やされており、著作権が発生しないのであるならば、初めから調査の必要はなかったからです。また、公募でもなく、博報堂に依頼し、プロのデザイナーが作成したわけですから、著作権の問題とならないとは言い切れないはずです。&は、赤いまるで囲まれていますのでデザイン性が高く、単なる”記号”ではないのですから。

 政治家の仕事とは、まず、他者から問題を指摘された場合、何が問題であるのか、その本質を見極めることにあります。舛添知事が”問題はない”と発言したところで、実際に問題が消え去るわけではありませんので、こうした場合、得てして、”ないもの”とされた問題は、より巨大な逆風となって発言者本人のみならず関係者をも追い詰めることになるのではないでしょうか。

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