時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:現段階における「世界政府」の成立は人類にとって危険

  今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。本ブログの記事にて、再三にわたり、人類進化の過程によって、人類には、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」が存在していることを指摘させていただきました。このように2種類の人類が併存しておりますことは、「世界政府」なるものが、仮に、成立した場合に、極めて悪しき政府となることを示唆しております。
 
世界中の国家が消滅して、いわゆる「世界政府」なる一つの政府がつくられるという発想は、すべての人々の基本的人権が守られ、さらに、国家間の軋轢や紛争が生じなくなるといった喧伝によりまして、あたかも人類にとりまして理想的な世界の到来であるかのように認識される傾向にあります。
 
しかしながら、こうした世界政府待望論が、人類のすべてが「神様志向型人類god(goddess)-minded human」であることを前提とした発想であるという点は、現実には「野獣型人類 beast human」が存在している以上、「世界政府」が成立した場合には、むしろ、人類にとりまして‘最悪の世界’がもたらされる危険性を示していることになります。
 
その理由は、「野獣型人類 beast human」の思考・行動形態には、チンパンジーの習性から、「①オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっている」、「② 他者から略奪して配る猿が、‘偉い猿’である」、「③チンパンジーは共食いをする」といった特徴があると考えることができることにあります。
 
①の習性から、「野獣型人類 beast human」は、支配者となりたがる習性を持っていることになりますので、当然、その「世界政府」のトップとなることを計画することになるでしょう。さらに、こうして「世界政府」のトップとなった人物は、②の習性から、世界の富を掌握して、配ることに専念するようになる、と予測することができます。さらに、③の習性を考えますと、掠奪・殺害される人々と、その富を施される人々とによって、世界は、構成されてしまうことになります。世界は、あたかも、地獄のようになってしまうことになるでしょう。
 
このように考えますと、「世界政府」の成立は、時期早尚、時期を得ていない、あるいは、「神様志向型の人類」が大多数となった暁には、相互尊重を基調とする自然調和が出現しますので不必要となります。人類は、「世界政府」の成立を考える前に、「神様志向型人類god(goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」が併存している問題につきまして、より深く考えるべきなのでしょう。

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(続く)