時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:社会・共産主義国は「独占禁止法」を破ってすべての産業を掌握した独占企業のようなもの

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。10月6日付け本ブログにて、「野獣型人類 beast human」の思考・行動形態には、チンパンジーの習性から、「①オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっている」、「② 他者から略奪して配る猿が、‘偉い猿’である」、「③チンパンジーは共食いをする」といった特徴があるがゆえに、「世界政府」なるものが成立した場合、そのトップには、「野獣型人類 beast human」が就く可能性が極めて高い点を指摘させていただきました。
 
「世界政府」のトップに「野獣型人類 beast human」が就く危険性の是々非々につきましては、‘社会・共産主義国家のトップには、どのような人物が就いてきたのか’、といった社会・共産主義体制の国々の歴史や現状について考察いたしますと、‘是’であるとして、肯定されてくるのではないでしょうか。
 
そもそも、社会・共産主義体制は、「搾取からの解放」という名目におきまして、一見、公平な社会の実現を謳っているようでありながら、その実は、特に、以下の欠陥によりまして、論理的に成り立たない体制なのです。
 
1)すべての資本・資・人材が、国家の所有となるということは、一国家の産業のすべてが、一つの独占企業によって経営されているに等しい状態となる。
2)労働者の賃金を等しくするということは、なまけ者、能力の無い者にも、同賃金が支払われることになるため、すなわち、働いても、働かなくとも、報酬は同じであるため、労働者は働かなくなる。
 
「すべての資本・資材・人材が、国家の所有となるということは、一国家の産業のすべてが、一つの独占企業によって経営されているに等しい状態となる」ということは、具体的には、「この会社の経営、体質、職種が、自分の資質、性格、能力には、どうも不適応であるから、他の会社に移ってみよう」という発想を、人々が持つことができないことを意味しております。すなわち、職業選択の自由、あるいは、’逃げ場‘が無い、ということになるのです。さらに言えば、消費者側も、商品選択の自由を失う結果となります。
 
この問題は、「世界政府」なるものが、仮に、社会・共産主義体制であった場合、より大きな不幸と苦悩を全世界の人々に与えることになります。世界中のどこにも‘逃げ場‘が無いことになるのですから。人々は、自らの意思に反した仕事、やりがいを見出せない仕事、適性が無い仕事でも、「世界政府」に命じられるままに、一生涯働かなければならないことになってしまいます。そして、人々は、この「世界政府」によって作られる劣悪な製品のみしか、購入できなくなるのです。
 
市場主義・自由主義国が「独占禁止法」を定めている理由は、企業間の競争を促すことにより、人々の職業選択の自由、商品選択の自由などを確保するためですので、社会・共産主義体制の国こそが、むしろ、市場主義・自由主義国が定めている「独占禁止法」を破って、すべての産業を掌握した独占企業のようなものなのです。社会・共産主義者は、資本家による‘独占’を非難しておきながら、実は、自らが、もっとも大きな‘独占’を行っている、ということになるでしょう。
 
さらに、労働者が働かなくなるといった点も、当然の帰結であり、こうした欠陥から、社会・共産主義国家は、‘行き詰まる’ことになったのですが、なぜ、今日におきましても、社会・共産主義体制を維持している国々があるのか、そして、社会主義者であることを先日、突然に表明したダライ・ラマ14世や、筋金入りの共産主義者である習近平のように、社会・共産主義思想の信奉者がいるのか、といいますと、その理由は、こうした社会・共産主義体制が、チンパンジー社会に近いことにあるようです。
 
チンパンジー社会の特徴を有する国であると想定して、社会・共産主義体制の国々を眺めてみますと、そこには、独裁体制といったキーワードが見えてくることになります。次回は、進化論から見えてくる独裁体制の成立の問題を扱うことにいたしましょう。
 
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
  
 
 
(続く)