時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

チルドレン政治家と一票の格差

 しばしば、”一票の格差”をめぐって裁判が起こされてきましたが、有権者の間で票の重みが変わるのは、選挙区の区割りだけではありません。政党内の議員間の力関係の方が、はるかに大きな一票の格差を生んでいるのです。その象徴と言えるのが、”チルドレン政治家”達です。

 小泉政権の時代には、”小泉チルドレン”と呼ばれる新人政治家の一群が自民党におりました。今回の衆議院選挙では、民主党に大量の”小沢チルドレン”が誕生したようです。これらの人々は、親分に当たる政治家のいわば子分であって、国会や党内では、親分の政治家の意向に沿って行動することが予測されます。このことは、建前としては、各選挙区から選出される議員は対等の立場でありながら、実際には、一方が部下になってしまっていることを意味しているのです。つまり、チルドレン議員を選出した選挙区の有権者の影響力は、ほとんど皆無に等しくなるのです。

 議員間の対等な関係あってこそ、オープンで活発な政策議論ができるものです。日本国が成熟した政治システムを築くためには、まずは、党内の議員間の発言権の平等をめざすべきではないかと思うのです。もし、自民党が、率先して党内改革に取り組むとしますと、それは、党再生の一歩となるかもしれません。

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