時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

鳩山代表の国際公約はスタンド・プレー?

 温暖化ガス削減目標について、鳩山代表は、国際社会に対して90年比で25%の削減を約束する方針とのことです。しかしながら、マニフェストへの記載はあるものの、国会とも諮らず、国民や産業界の合意を取り付けることもなく、首相が国際公約を行う権限は認められるのでしょうか。

 そもそも、マニフェストが一括選択方式であることは、民主党の個別の政権公約に対して国民が合意しているわけではないことを示しています。また、与野党が揃う国会での審議の過程で、原案が修正される可能性もあるのですから、首相の”鶴の一声”で、国民に重大な利害関係のある事柄を決定することは、民主主義の手続きには反しています。政府提出法案としましても、審議会などを設置し、甚大な影響を受ける産業界の意見を聴取してから法案を作成すべきと言えましょう。また、国際公約に掲げながら、その約束を果たせないとなりますと、日本国の信頼性も低下します(できない約束はしないほうが賢明…)。

 高い温暖化ガスの削減目標を掲げることは、鳩山代表個人としては、国際社会からの評価を高めることになるかもしれません。しかしながら、国民に半ば強制的に多大な犠牲を強いるようでは、民主党政権に対する期待は急速に萎むことになりましょう。鳩山代表には、むしろ、国際社会に対して温暖化対策の手法を含めて仕切り直しを提案していただきたいと思うのです。

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