時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党政権に自由と民主主義の尊重を願う

 鳩山首相は、政権交代の意義について、官僚が支配した政治から”国民が主役”の政治への転換を訴えてきました。これから発足する政権が、どのような政策を行うかは未知数ですが、日本国が、自由と民主主義を尊重する国柄であることだけは、忘れないでいただきたいと思うのです。

 中華人民共和国憲法の前文には、”中国の人民は、国家の権力を掌握し、国家の主人公となった”とする下りがあります。共産党による革命政権が誕生したとき、国民の多くは、この言葉を信じ、来るべき国家に大いなる期待を抱いたかもしれません。しかしながら、歴史は、この言葉が如何に空虚であったかを物語っています。実際には、”人民”とは、少数の共産党員を意味していましたし、一党独裁制では、現実の国民は、政治的な自由も権利も保障されなかったのですから。

 もちろん、民主党政権交代が、中国と同じ道を歩むとは限りませんし、”国民が主役”の言葉通りに国民の声をよく聞き、国民多数の意向を尊重した政策運営を行うかもしれません。その一方で、イデオロギーが先走った法案や政策を、数に頼んで通しますと、日本国は、いつの間にか変質してしまうのではないかと心配になるのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>