時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

野田首相―国民は革命家を選んではいない

 本日、野田首相は、「民主党は政治家の集団ではない。政治改革家の集団だと示そう」と発言したと報じられています。増税への決意を述べた表現とのことですが、”革命家”という言葉には、破壊的な響きがあります。

 何故ならば、革命とは、得てして暴力を伴うものですし、無血革命であっても、前体制の打破を意味するからです。先の衆議院選挙では、国民は、”政治家”を選んだのであって、民主党政権に革命を期待したわけも、革命を託したわけでもありません。民主主義国家において、一般的に行われている政権交代が、日本国でも起きたに過ぎないのです。その一方で、当の民主党側では、政権交代を”革命”と見なしているとしますと、憲法や法律の枠を越えて、自らの”理想”を実現するために、破壊活動に走る可能性があります。しかも、この”革命”、日本国民のための”革命”でもなさそうなのです(革命家集団の、革命家集団による、革命家集団のための革命…)。

 革命という言葉を首相が安易に使いますと、国民は、暴政を心配しなくてはならなくなります。あるいは、野田首相の本音がこぼれ出たのかもしれませんが、政治家は、あくまでも、国民のための政治家であるべきと思うのです。

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