時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

死刑執行―命の重さは平等か

 民主党政権では、平岡法相を始め、死刑執行に消極的な大臣が多いようです。否、死刑制度に対して批判的な人物を、敢えて法相のポストに付ているのかもしれません。死刑廃止に向けての下地作りとして。

 ところで、個人の生命、身体、人格を含む、基本的な人権に関わる問題を論じるに際して、リベラルな人々は、常に、平等の原則を前面に打ち出すものです。人の間には、命の重さに違いあってはならないと。しかしながら、死刑に限っては、決して命の平等を認めようとしないのです。死刑廃止とは、明らかに、被害者と加害者では、加害者=犯罪者の命の方を尊重する制度です。残忍な方法で奪われた方の命は、失われたまま戻ることはありませんが、加害者の命は、法によって手厚く守られるのですから。

 おそらく、死刑廃止の論拠は、”人は人の命を奪ってはならない”、という基本的な道徳律を根拠としているのでしょう。しかしながら、一般の”人”ではなく、”人の命を奪った人”に限定しますと、この道徳律には例外は成り立つ余地があります。死刑制度を考えるに際しては、罪なき被害者の命をも考慮すべきではないかと思うのです。

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