時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

死刑刑場公開は現代の地獄草子

 昨日、死刑の刑場が初めて公開され、死刑囚の刑執行までの過程が詳らかとなりました。もちろん、公開の背景には、千葉法相の死刑廃止論があるのでしょうが、この公開は、むしろ、殺人事件の抑止力となるのではないかと思うのです。

 何故ならば、他者の尊い命を自らの身勝手な欲望によって奪うと、どのような運命が待ち受けているのか、その一部始終を明らかにしたからです。報道記事は、死刑執行の現場の緊迫した空気をよく伝えており、この場に臨む死刑囚もまた、死の恐怖と不安に駆られたものと想像することができます。昔は、地獄草紙などで身の毛もよだつ地獄を描くことで、現世に生きる人々の悪行を戒めたものですが、現代という時代には、リアルな刑場の光景こそ、地獄草紙です。公開された映像こそ、殺人を企てる者に対して、死刑執行への恐怖心を与えるかもしれないのです。

 恐怖心が殺人を抑止するならば、死刑制度を存続させた方が、殺人という人としての最大の罪を減らす効果は期待できると思うのです。刑場公開を景気とした死刑廃止論は、千葉法相の思惑とは別の結論に至ることになるかもしれないのです。

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