時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

橋下大阪市長―既得権が破壊された後

 大阪の橋下市長は、既得権の破壊こそが自らの役目と任じ、市職員の労組運動を潰しにかかるようです。報道によれば、この発言では、”既得権”は労働組合の政治活動に限定して使われているようですが、おそらく、”既得権”という言葉には、市政に関わる様々な利権も含まれているのでしょう。

 ところで、破壊することは簡単ですが、創造することは、はるかに難しいとも言われています。民主党政権もまた、自公政権や官僚などの既得権の打破を国民に訴えることで、政権を手にしました。国民の多くは、民主党に期待を寄せたわけですが、その結果は、新たな民主党の既得権が生まれるか、あるいは、民主党の方から既得権に歩み寄るに過ぎませんでした。歴史上に起きた王朝交代や革命なども、そのほとんどは、単なる権力者の交代、つまり、利権の移動です…。橋下市長もまた、既得権の破壊をアピールしていますが、結局は、民主党政権と同じ道を歩むのでしょうか。

 政治権力と利権の結合は、古今東西を問わず、政治腐敗の原因なのですから、橋下市長は、政治と利権を引き離すべく、創造的な仕事をすべきです。公平で公正であり、特定の利権や権力濫用が発生しない制度を構築することこそ、現代の”破壊者”の務めなのではないかと思うのです。

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