マニフェストは提出予定の法案リスト？

　新聞等を見ますと、マニフェストは、”政権公約”と表現される傾向にあります。しかしながら、マニフェストの形式が、一括選択の”抱き合わせ販売”であることを考慮しますと、与党が、国会に提出を予定している法案リストと捉えた方がよいのではないかと思うのです。

　現在の民主党の姿勢は、良きにつけ、悪しきにつけ、”公約”の実現に躍起になっているようです。一方、民主党に投票した国民は、マニフェストに掲げられた政策を全て無条件に支持しているわけではありませんので、マニフェストを全て実行しますと、逆に、民意から離れてしまう可能性もあります。ここに、民主的な手続きを経て成立した政権が、民意に反するという民主主義のパラドックスがあるのです。そこで、マニフェストは、公約ではなく、あくまでも草案に過ぎず、国会での議論や世論の動向を受けて修正され得るとすべきなのではないかと思うのです。

　もし、マニフェストを、修正の許されない国民との約束と定義してしまいますと、法案の審議・修正の役割を担う国会の機能を否定することにもなりかねません。マニフェストを実行しないことが、実は、民主主義の原則には沿う場合もあることを、ぜひ、民主党の方々には理解していただきたいと思うのです。

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