時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

健全な保守政党の育成を

 自民党の大敗を受けて、来年の参議院選挙の結果次第では、自民党が消滅するのではないかという憶測まで流れているようです。民主党政権の誕生には、政権交代可能な政治システムの実現という意義が強調されながら、もし、懸念される事態が起きるとしますと、日本国は、政党が変わりこそすれ、一党優位体制が続くことになります。

 政権交代とは、それが有効に機能すれば、長期政権による政治腐敗と停滞を防止し、前政権の欠点や制度疲労を修理・改善することで、より良いシステムへの発展を促すものです。多くの国民が民主党に期待したこともまた、硬直化した制度の抜本的な見直しであったかもしれません。しかしながら、民主党に対抗し得る政党がもはや存在しないとなりますと、国民は、再び選択肢を失い、政治の硬直化が始まることになります。少なくとも、保守派の人々は、自らを代表する政党がなくなり、政治の波間を漂流することになるのです。

 今後、国民は、意識して健全な保守政党を育成しなければならなくなるかもしれません。自民党が、公明党との連携を解消しないということであるならば、自民党に代わる新たな保守政党を育てなくてはならないのです。国民のために多様な選択肢を用意するためにも、自民党をはじめ、各政党は、自らの立ち位置をもう一度確認すべきと思うのです。
 
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