時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

自民党の民主党化―”国民が先か、政党が先か”

 自民党内では、若手議員を中心として、河野太郎議員を総裁に担ぐ案が浮上しているそうです。もし、河野総裁が誕生するとしますと、自民党は、さらにリベラル色が強まり、やがて民主党化してしまうのではないか、と思うのです。

 自民党民主党化現象は、既に政権与党の座にあった時代から観察されていましたが、このことは、前回の衆議院選挙において、保守層の自民党離れの原因ともなりました。この分析が正しいとすれば、党の再生には、保守層の回帰を講じることが必要となるはずなのですが、何故にか、自民党は、さらに保守層の支持を減らす方向に動きそうなのです。自民党民主党化して困るのは、国民の中にいる保守層の人々です。自由主義の国家では、多様な意見や思想があることが当たり前なのにもかかわらず、日本国民は、多様な選好を政治に反映させることができなくなるのです。自民党が、民主党化を図ることで支持を増やすことができると考えているならば、本来、国民が先で、政党が後となるべきにもかかわらず、政党が先で国民が後とみなしていることになるのではないでしょうか。

 このままの状況が続きますと、表面的には多党制と見えながら、事実上の”一党支配”になりかねません。政党は、日本国の民主主義を守るためにも、国民の多様な意見や信条を代表するという役割があることを、忘れてはならないと思うのです。

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