時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

グローバル化で移民政策が不要になる先進国

 新聞などには、日本国の移民受け入れ政策は今後”不可避”になるとする説がしばしば掲載されています。しかしながら、グローバル化が進むほどに、日本国をはじめ、先進国の雇用は減少する傾向に向かいますので、本当は、移民受け入れ政策も少子化政策も、いらなくなるのではないかとも思うのです。

 人口規模は、大きければ大きいほど良い、というわけではなく、雇用があって初めて消費市場としての価値を持ちます。中国やインドが、近年目覚ましい勢いで成長し、消費市場としても有力視されるに至ったのも、グローバル化の波を受けて、低賃金という競争力を十分に発揮することができたからです。つまり、雇用があって、はじめて人口大国は、経済分野においても消費市場として注目されるようになったのです。一方、先進国は、その反対の現象に見舞われており、競争上の最大の劣位は、”人”にあります。つまり、グローバル化が進めば進むほど、企業は、国境を越えて事業を展開しますので、最も有利な場所に製造拠点=雇用を移してしまうのです。また、外国から人材を登用すれば、自国で育てる必要もなくなります。この傾向に歯止めがかからないとしますと、先進国の雇用は減少し、人口が増加しても、失業者となる可能性があります。

 つまり、グローバル化の時代であるから移民政策の推進を、ではなく、移民政策は無理という現実があるのです。また、人口の増加で活力を、ではなく、少子化対策は将来の雇用規模を考えて、ということになります。むしろ、規模よりも、少数先鋭を目指した方が、国際競争力を保てると思うのですが、いかがでしょうか。

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